ティアマトが生み出した１１獣シリーズ
バビロニア神話において、原初の女神ティアマトが、夫アプスーの死と最高神マルドゥク率いる若い神々への怒りから生み出した11体の恐ろしい怪物の軍団です。これらはキングーが率い、混沌の力を象徴しますが、最終的にマルドゥクによって討伐され、天地創造の素材となりました。
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ティアマト（Tiamat）
バビロニア神話の原初の塩水の女神。アプスーの妻で神々の母。若い神々に怒り、11の怪物軍団を率いてマルドゥクと戦うが敗北。彼女の体は天地創造の素材となった。
アプスー（Apsu）
バビロニア神話における原初の淡水の神。ティアマトの夫であり、若い神々の父。神々の騒がしさに耐えかね、ティアマトの反対を押し切り彼らを滅ぼそうと企てるが、知恵の神エンキに討たれ殺された。
キングー（Kingu）
バビロニア神話において、ティアマトが創造した11獣軍団の指導者。ティアマトから**「運命の粘土板」を授けられ、神々の王位に就く。最終的にマルドゥクに敗れ、彼の血は人類創造の材料**となった。
ムシュマッヘ（Mušmaḫḫu）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体。「恐るべき蛇」を意味し、7つの頭を持つ巨大な毒蛇の姿で描かれます。ティアマトの軍団を構成し、神々を恐怖に陥れましたが、最終的にマルドゥクに討たれました。
ウシュムガル（Ušumgallu）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、その名は**「偉大な竜」を意味します。雄々しく恐ろしい姿を持つ有翼の竜（ドラゴンの原型）**として描かれ、ティアマトの軍団を構成。マルドゥクとの戦いでは神々を震え上がらせました。
バシュム（Bašmu）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、「毒の蛇」を意味します。その体は非常に巨大で、毒に満ちた神話的な蛇として恐れられました。ティアマトの軍勢として神々との戦いに加わりましたが、最終的にマルドゥクに討たれました。
ムシュフシュ（Mušhuššu）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、「激怒した蛇」を意味します。蛇の体、ライオンの前足、鷲の後ろ足を持つ合成獣です。後にマルドゥクやナブーの聖獣となり、バビロンのイシュタル門のレリーフに描かれました。
ウムー・ダブルーテ（Umū-dabrutu）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、「激しい嵐」または「荒れ狂う暴風」を意味します。その姿は定まっていませんが、天候の破壊力を体現する巨大な魔物として神々を襲いました。
ウリディンム（Uridimmu）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、その名は**「猛るライオン」を意味します。人間の体にライオンの頭を持つ姿で描かれることが多く、ティアマトの軍団の一員として狂暴な力**を発揮し、神々を脅かしました。
ギリタブウルルー（Girtablullû）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、「さそり人間（サソリ男）」を意味します。その姿は、人間の上半身とサソリの下半身を持つ合成獣で、ティアマトの軍勢として強大な恐怖を神々に与えました。
ウガルルム（Ugallu）
「嵐の大獅子」を意味するメソポタミアの悪魔。ライオンの頭と人間の体を持つ獣人で、恐るべき強風と疫病をもたらす。冥界の女王エレシュキガルや神々の従者として描かれる、力の象徴。
クサリク（Kuṣarikku）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、「雄牛人間」を意味します。人間の上半身に牛の下半身を持つ姿で描かれ、その強靭な力でティアマトの軍勢として神々との戦いに加わりました。
クルールルー（Kulullû）
バビロニア神話において、ティアマトが生み出した11の怪物の一体で、「魚人間」を意味します。その姿は、人間の上半身と魚の下半身を持つ合成獣（マーマンのような姿）で、ティアマトの軍勢として水中で神々を脅かしました。
ラフム（Laḫmu）
バビロニア神話において、ティアマトとアプスーの間に最初に生まれた、原初の怪物の一体です。毛深い男の姿で描かれ、ムムと共に神々の父祖とされることもあります。後に善神として扱われることもありました。
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