古代メソポタミアの悪魔学

                悪魔・悪霊シリーズ

            画像をクリックしてください。

 古代メソポタミア悪魔学は、病気や災厄を、神々の定めた秩序()を破ろうとする悪霊(utukku lemnūtu)の干渉と定義した、緻密な霊的体系である。この体系は、宇宙論、医学、呪術が統合された古代最大の知識体系として機能しました。

     エレシュキガル配下:死後の世界の執行者と境界の悪霊

死後の世界の女王:エレシュキガル(Ereshkigal)
「死」の絶対的な支配者:

冥界の女王。生と死の境界を管理する「システムのリサイクル/隔離」機能の執行者。

死後の世界の門番:ネティ(Neti
死後のの第一の門を警備する最高門番(あるいは、冥界の口を司る者)であり、生者の世界から死後の世界への立ち入りに対して、通行の是非を断ずる絶対的な権限を持ちます。
イシュタルが死後のへ降りた際、彼女を迎え、冥界の掟を寸分たがわず執行しました。

死後の世界の雄牛:グガランナ(Gugalanna)

冥界の女王エレシュキガルの配偶者。死後の世界の強大な物理的な力を象徴し、死後の世界の境界絶対的な権威を裏打ちする存在。

死後の世界の番人 :キスル (Kisur)
【最初の立ち入りを固く拒む番人】 死後の世界への不正な進入を阻止する、第一の警戒を担っています。
死後の世界の番人:エン-ダ-スリムマ(En-da-surimma)
【境界を隔絶し、秘密を守る番人】 境界内の隔絶(へだて)を厳しく守り、死後の世界の秘密が漏れることを許しません。
死後の世界の番人:エン-ウル-ウッラ(En-ul-ulla)
【魂の定着を司る最後の番人】 送られた魂を永きにわたり死後の世界に留め置き、二度と地上に戻れないよう確定させます。
死後の世界の番人:エン-ドゥ-クガ(En-du-kuga)
【世界の理(ことわり)を維持する番人】 死後の世界の構造絶対の不変性が崩れないよう、その理(ことわり)を監査し守り続けています。

        ネルガルと悪魔の軍団「シャッル・アガエ」

戦争と​破壊、​死後の世界の​神:ネルガル​(Nergal)​

死後の世界戦争、疫病を司る神。秩序を破壊し、システムの境界(生と死)を管理する「リセット」機能の執行者。

火星と​冥王星、​二つの​異なる​
概念を​司る、​最高の​多面性を​
持つ神

死後の世界の使者:ナムタル(Namtar)
死後の世界の女王エレシュキガルやネルガルの意思を伝達し、定められた死の運命を地上で実行する役割を担っています。
熱病 の悪魔:フムッタブ(Humtab)
生物システム(人体)の内部熱制御機構を狂わせ、急激な高熱(熱病)を発生させて、システムの迅速な機能不全を引き起こします。
 
身体を蝕む病 の悪魔:ムシュシュ(Mushussu)
システム(人体)の物理的な構造を時間をかけて内側から蝕み、生命力を徐々に奪いながら、慢性的な機能低下をもたらします。
不眠と幻覚 の悪魔:ラバーツ(Rabits)
人間の意識というインターフェースに干渉し、不眠や幻覚を引き起こして判断力を低下させ、システム(体や精神)を不安定にさせます。
狂気と絶望の悪魔: ウシュムガル(Ushumgallu)
人間の精神の根幹を破壊し、狂気と絶望を生み出します。文明を支える社会的な論理や倫理を機能不全に陥らせる原因となります。
魂の略奪の悪魔:アシュブ(Asakku)
強い病によって魂(生命力)を体から強制的に引き離し、システム(人体)を予期せぬ形で停止させる実行機能です。
破壊と無秩序の悪魔:シディラ(Siduri)
安定した社会基盤文明の枠組みを内側から蝕み、破壊と無秩序の状態を加速させる引き金を引く役割を持っています。
復讐心の悪魔:カッティ(Kattab)
人間の復讐心を煽り立て、抑制の効かない感情によって社会的な争い自滅的な行動を引き起こし、システムの安定性を損ないます。

          疾病と熱病の悪魔(日常の悪意)

悪意ある霊魂の集合体を指す:ウトゥック・レッムトゥ(Utukku Lemnūtu)
悪意ある霊魂の集合体であり、特定の原因なく発生する多種多様な不幸や病、低レベルのシステムバグの総称です。
悪い守護霊:セドゥ・レッムトゥ(Sēdu Lemnūtu)
人間を守護するはずの守護霊(セドゥ)が変質し、内部からシステムの安定性を揺るがす原因となります。
悪い守護霊:ラマッス・レッムトゥ(Lamassu Lemnūtu)
人間を守る防御機構(ラマッス)が裏切り、システムの中核的な安定性を攻撃する悪霊と化しています。
さまよえるの死霊 :エダム(Eṭemmu)
冥界に隔離されず、地上をさまよう死霊です。システムの処理手順から外れたデータが、ランダムに現世のシステムを干渉します。

夜の悪霊(リリスのモデル):リリトゥ(Lilitu)

夜の悪霊として、男性の生殖サイクル安眠を妨害し、システムの継続的な健全性を根幹から破壊します。
リリトゥと並ぶ二大女性悪魔:ラマシュトゥ(Lamaštu)
妊婦や幼児を標的とし、新たな生命(次世代システム)誕生と定着を阻止する、社会の継続性に特化した破壊機能です。
夜の悪霊:アルダー・リル(Ardāt Lilî)
若い男性を誘惑し、性的なエネルギーを奪うことで、健全な社会の継承リソースを枯渇させる役割を担います。
待ち伏せする悪霊:ラブシュ(Rābiṣu)
待ち伏せによって人間を驚かせ、突発的な病や精神的動揺を引き起こし、システムの予期せぬ一時停止を誘発します。
風と疫病の悪魔:パズズ (Pazuzu)
という媒体を利用し、疫病や熱病といったシステム障害を広範囲かつ迅速に拡散させる役割です。
熱病の悪魔:アシク(Asakku)
熱病という形で、生物システムの処理能力を超える高負荷をかけ、生命機能を短期間で強制停止させる機能です。
人間から生命力や健康を吸い取る悪霊:アハズ(Aḫḫāzu)
人間から生命力や健康というコアなエネルギー資源をゆっくりと吸い取り、システムの慢性的な衰弱を引き起こします。
頭痛の悪霊:ディムメク(Dimmeḳu)

頭痛という形で、システムの中枢処理装置(脳)に直接干渉し、思考や判断といった演算処理を阻害します。

神々が創造した特定の「虫」が悪魔になった:シブツ・フッリ(Siptu ḫurri)
「虫」という極小の存在が悪魔化したもので、局所的かつ継続的な内部損傷(例えば歯の痛みなど)を引き起こし、システムの微細な劣化を促します。

             エラと七悪魔セブティ

破壊と疫病の神:エラ(Erra)
破壊と疫病を司る神であり、システムの旧秩序を一掃するための大規模な強制破壊と再起動(リセット)を担う最高権限執行者です。

家畜に病をもたらす者 :ギッシ(Gišši

文明の根幹をなす食料生産リソース(家畜)に病をもたらし、社会全体の存続を危機に陥らせる機能です。

不眠を人々に与える:ギルディム(Gildim
広範囲な不眠症を引き起こし、人間の思考能力や判断力といった機能的な意識を麻痺させ、社会の機能を停止させます。
街を燃やす:ウルミシュ(Urmiš)
をもって街や建造物といったシステムの物理的な基盤を焼き尽くし、秩序の再構築を不可能にする役割がございます。
社会の絆を断ち切る:ガルマフ(Garmanū
人々の信頼や協力といった社会的な絆(ネットワーク)を断ち切り、システムの有機的な連携を崩壊させる機能です。
社会に暗い影を落とす:ウグルグム(Ugurugum
社会全体に深い暗い影を落とし、人々の抵抗の意思や希望を奪い、システムの回復に必要なエネルギーを枯渇させます。
呪文によって人間を殺す:イルミナ・ウギル(Ilimma Ugir
呪文という特殊な非物理的プログラミングを用いて、人間の生命システムを遠隔から強制的に終了させる役割がございます。

死後の世界の番人:ギッリウ(Gišrillû

ギッリウは、死と腐敗の象徴なり。その姿は朽ちた骸、生者の温もりを奪い去る冷徹な運命の執行者。文明の急激な衰退と滅亡、避けられぬ終焉を静かに告げる古の悪霊である。